【入門線形代数】解の自由度と分類-連立一次方程式-

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「解の自由度と分類」では
まず解の自由度を求めて,その自由度とrankを用いて,連立一次方程式が解を持つのか,持たないのかを分類していくということをやっていこうと思います!!

ここではrankを求めることができることが前提となり話が進んでいきますので,もし復習したいという方はこちらの記事を復習してから読むと理解が深まるかと思います.

「解の自由度と分類」の目標

・解の自由度について理解する
・rankを用いて連立一次方程式の解を分類する

連立方程式の解の分類

連立方程式の解

分類の前に連立一次方程式の解の自由度について考えてこうかと思います.
そもそも連立一次方程式の解を定義します

連立一次方程式の解

連立一次方程式
\( \left\{\begin{array}{}a_{11}x_{1} + a_{12}x_{2} + \cdots a_{1n}x_{n} = b_{1} \\a_{21}x_{1} + a_{22}x_{2} + \cdots a_{2n}x_{n} = b_{2}
\\ \cdots
\\a_{m1}x_{1} + a_{m2}x_{2} + \cdots a_{mn}x_{n} = b_{m}\end{array}\right. \)
を満たす\( \mathbf{x} = \begin{pmatrix}x_1
\\x_2
\\ \cdots
\\x_n \end{pmatrix} \)が存在するとき,連立一次方程式は解をもつといい,
そうでないとき連立一次方程式は解をもたないという.

すなわち,連立方程式の未知数である\( x_1 , x_2 , \cdots ,x_n \)が存在すればそれは連立一次方程式の解というということですね.
中学生のころから当たり前に出てきていた解ですが,このように定義できます.

では,その解には自由度という概念がありますのでこちらを定義しましょう!!

連立一次方程式の解の自由度

連立一次方程式の解の自由度

n個の未知数からなる連立一次方程式\(A \mathbf{x} = B \)に対して
\(\mathrm{rank} A = \mathrm{rank}(A | B) = r \)とする.
このとき、自由に決めることができる未知数の数n-rのことを連立一次方程式の解の自由度という

すなわち
自由度とは\(\mathrm{rank} A = \mathrm{rank}(A | B) \)の場合のrankのことです.
\(A \)と\( (A | B) \)のrankは等しくなくてはいけないので注意です.
また,「自由に決めることができる未知数の数」のことを任意に決めることができる定数
ということで任意定数
といいます.

では,ここからは本題である自由度を使った解を分類していきましょう!!

定理:連立方程式の解の分類

解は大きく以下の2種類に分類されます.

定理:連立一次方程式の解の分類

ある連立一次方程式に対してAを係数行列\( (A | B) \)を拡大係数行列とするとき
\( \mathrm{rank}A = \mathrm{rank}(A \mid B) \) \(\Rightarrow \)連立一次方程式の解は存在する.
\( \mathrm{rank}A < \mathrm{rank}(A \mid B)\) \( \Rightarrow \)連立一次方程式の解は存在しない.

具体例を用いてこのことをまとめてみましょう

例:連立一次方程式の解の分類

例:連立一次方程式の解の分類

次の3つの方程式に対して
(1)\( \left\{\begin{array}{}x_{1} = 2
\\x_{2} = 3
\\x_{3} = 2 \end{array}\right. \)
(2)\( \left\{\begin{array}{}x_{1} – x_{3} = 2
\\x_{2} – x_{3} = 1 \end{array}\right. \)
(3)\( \left\{\begin{array}{}x_{1} = 1\\x_{2} = -1\\0 = 2 \end{array}\right. \)
解はそれぞれ
(1)連立一次方程式の解は存在する.
(2)連立一次方程式の解は存在する.
(3)連立一次方程式の解は存在しない.

補足ですが,この方程式の解はどのようになるでしょうか?
この方程式は未知数が3つに対して,rankが2です.
よって,解の自由度が3-2=1となりますので,
1つの未知数を自由に決めることで解が求まります!!

今回\(x_3 = c\)と置くことにしましょう.
すると解は
\( \begin{cases}x_1 = 2 + c
\\x _2 = 1 + c
\\x_3 = c \end{cases} \)(cは任意定数)
と書けます.
このように連立方程式を解くことは「掃き出し法」の記事で行うことにしますので,気になる方はそちらの記事も参考にしてください.

以上が「解の自由度と分類」という話です.
この記事でrankの使いどころの一例がわかっていただけたかと思います.
実際に連立方程式を計算をして求めるのは,簡約行列と掃き出し法のところで勉強します!!

では,今回のまとめに入りましょう!!

「解の自由度と分類」のまとめ

「解の自由度と分類」のまとめ

・解の自由度とは,
n個の未知数からなる連立一次方程式に対して
\(\mathrm{rank} A = \mathrm{rank}(A | B) = r \)であったときn-rのこと

・連立一次方程式の解は,
\( \mathrm{rank}A = \mathrm{rank}(A \mid B) \Rightarrow \)のとき存在する.
\( \mathrm{rank}A < \mathrm{rank}(A \mid B) \Rightarrow \)のとき存在しない.

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