【入門線形代数】階段行列-連立一次方程式-

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ここでは階段行列という行列を紹介します.
階段行列はこの先行列のrankというものを計算したり,それ以外の概念を理解するうえでもとても大切な行列です!!

どのような行列かしっかり理解したうえでしっかり判別もできるようになるように頑張りましょう!!
この記事では「行列の主成分」がわからないとよく理解できないので行列の主成分を
復習してから読んでもらえるとより理解がはかどるかと思います!

「階段行列」の目標

・階段行列を理解し,判別できるようになること

階段行列

早速階段行列を定義していきます.

階段行列

階段行列

行番号が増えていくにつれて主成分の前(左側)に連続して並ぶ0の数が増えていき,主成分のない行より下の行はすべて成分が0であるような行列のことを階段行列という.

この定義だけだと少しわかりにくくイメージもしにくいと思いますので,具体的な行列を例をだして確認していくことにします.

例:階段行列

例:階段行列

以下の行列は階段行列である.
\( \left(\begin{array}{cccccc}0 & a_1 & * & * & * & *
\\0 & 0 & a_2 & * & * & *
\\0 & 0 & 0 & a_3 & * & *
\\0 & 0 & 0 & 0 & a_4 & *
\\0 & 0 & 0 & 0 & 0 & a_5\end{array} \right) \)
\( \left(\begin{array}{cccccc}0 & a_1 & * & * & * & *
\\0 & 0 & a_2 & * & * & *
\\0 & 0 & 0 & 0 & 0 & a_3
\\0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0
\\0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\end{array} \right) \)
\( \left(\begin{array}{cccccc}0 & a_1 & * & * & * & *
\\0 & 0 & 0 & 0 & a_2 & *
\\0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0
\\0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0
\\0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0\end{array} \right) \)
ただし,\( * \)の部分は任意の数がはいると考える.

この例に対して図も用いて視覚的に階段行列になっているのか確認することにしましょう.

この行列はきれいに一行下がるごとに1つずつ主成分の前に0が増えています.
一番典型的な階段行列の形であるといえるでしょう.

この行列は前の例のように等間隔で0が並んでいるわけではないですが
行番号が増えるごとに0の数は増えていますので問題ありません.
また,主成分のない第4行目と5行目は0が並んでいますのでしっかり階段行列といえるでしょう.

最後の例に関しては図は省略しますが上と同様主成分の前の0の数がどんどん増えおり,主成分のない3行目以降でもすべての行成分が0となっているので問題なく階段行列と言えます.

では,階段行列に対して逆に階段行列とはならない行列の例を見ていくことにしましょう.

例:階段行列ではない行列

例:階段行列ではない行列

次の行列は階段行列ではない.
\( \left(\begin{array}{cccccc}0 & a_1 & * & * & * & *
\\0 & 0 & a_2 & * & * & *
\\0 & a_3 & * & * & * & *
\\0 & 0 & 0 & 0 & a_4 & *
\\0 & 0 & 0 & 0 & 0 & a_5\end{array} \right) \)
\( \left(\begin{array}{cccccc}0 & a_1 & * & * & * & *
\\0 & 0 & 0 & 0 & a_2 & *
\\0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0
\\0 & 0 & 0 & 0 & 0 & 0
\\0 & a_5 & * & * & * & * \end{array} \right) \)
ただし,\( * \)の部分は任意の数がはいると考える.

こちらの例もひとつずつどこがダメなのか考えてみることにしましょう.

<例の確認>

この行列では
第2行の主成分前には0が2つ
であるのに対して
第3行の主成分前には0が1つ
となってしまっているため,階段行列の定義である行番号が増えていくにつれて主成分の前(左側)に連続して並ぶ0の数が増えていくということに反してしまいますので,この行列は階段行列ではありません.

こちらの例もいきなり第5行目で主成分前の0の数が1つに減ってしまっており,主成分のない行より下の行はすべて成分が0であるという階段行列の定義を満たさないことになりますので,階段行列ではありません.

以上が階段行列についてです,この階段行列を用いて階数(rank)というものが定義でき,それこそ今後もいたるところで出てくるとても大切なものです.
階数(rank)に関しては次の記事にまわして,今回のまとめに入りましょう!!

「階段行列」のまとめ

「階段行列」のまとめ

・行列の主成分とは,行列の各行での最初に現れる0でない成分

・階段行列とは,行番号が増えていくにつれて主成分の前(左側)に連続して並ぶ0の数が増えていき,主成分のない行より下の行はすべて成分が0であるような行列

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